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  シーツを外し、洗濯をする。 パンッパンッと叩いて、皺を伸ばしてから 物干し竿に広げる。 澄み切った空に大きな太陽。 木の葉を優しく揺らす風。 「ああ・・・、気持ちいい。」 貴子は目を閉じ、大きく息を吸った。 そして、誰ともなく微笑んだ。 掃除機ではまだ寝ている爽を起こすだろうと 貴子は物置からバケツと雑巾を取り出し 拭き掃除を始めた。 無垢材の床がキュッキュッといい音を鳴らした。 貴子は家事が嫌いじゃない。 好きか、と聞かれれば、普通、と答える。 だが、嫌々やっているかと聞かれれば そうではない、と思う。 一つずつ片付いていくと気持ちがすっきりする。
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