通天閣に登ったら

14/24
前へ
/205ページ
次へ
「そりゃ、そう言うやろ。健介にだって責任はある訳やねんし、美春だけが背負うような話じゃないやん。一度も健介に相談せんと、勝手にシングルマザーになろうなんて」 「だって、健介のこと、好きなんやもん」 美春は、また大真面目な顔で言った。 「ほんま、美春はめちゃくちゃや、言ってることが。好きなんやったらさ、普通は赤ちゃん口実に結婚しろって迫るもんやん。その権利はあるんやで?」 わたしが言うと、美春は「せやからやん」とため息混じりに答える。 「そういう重い関係、健介は絶対好きじゃないもん」
/205ページ

最初のコメントを投稿しよう!

744人が本棚に入れています
本棚に追加