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「知り合いって誰やねん!」
真吾は目を真っ赤にしてわたしをみつめている。
こんなに真剣な真吾に嘘はつきたくないけれど、ここで美春の秘密をばらしてしまうわけにはいかない。
「ごめん。それは言われへん。ごめん、でも、わたしが妊娠した訳じゃないのはほんまにほんまやねん」
変な話。
だけど、真吾は「わかった」と頷いた。
そして言った。
「お前が、言われへんって言うなら、これ以上聞かん。けど……」
「けど?…… 何?」
わたしが聞き返したそのとき、真吾の携帯から大音量で着信音が鳴り出した。
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