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「あっれ~?まだこんな所に、生きてる人間がいたんだ?」
全く聞き覚えのない、声変わりしたばかりのような少年の声が、地下に響き渡った。
四人は声のした方を見ると、声の主が少しずつこちらに近付いてきている。
「まあ、兄貴と来たときは、こんな地下室に気が付かなかったからな~。それにしても、随分と広い地下室だよね。ここで何人死んだんだか。同じ魔族の血が流れているとはいえ、残酷なことするよね。」
少年は、一人で喋りながら、クスクスと笑っていた。
カレジ達は、口には出さなかったが、皆すぐに気が付いていた。
―魔族だ…!!―
髪は紫、瞳は黄色く、まるで猫のようなつり目。耳は大きく、先が尖っている。口の両端からは、牙がのぞいていた。
服は、黒を好んでいるようで、上から下まで真っ黒だった。
シャツのボタンをかなり開けていて、胸元がはだけている。
「あ~あ。さっき、魔王様に魂を献上してきちゃったしな~。また魔界に帰るのも面倒くさいし…。」
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