第1章

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二十年ほどくらい前だったか、突如異世界に通じる三十メートル程の巨大な門が出現したらしい。 それは音もなく、魔法陣と呼称された。 複雑な紋様、解読不可能と言われ、あらゆる分野の人間を悩ませた。 というか、今もなお、解読出来ていない。 でもまあ、彼らも馬鹿ではない。 流石にやばいと、追い込まれたのか意味の解らないことを企画しだした。 生身で突入するのは危険過ぎる。 ならば魂だけをあちらに送り、それから仮の肉体を構築すれば安心だろ? そうすれば本体は傷つかず、死なない。 まあ、なんというか、上の人間がアレなんだろう。 とまあ、そんな事を言うが、最初の方は奇跡的に、スムーズに、安全に行われていた。 向こうで死んでも魂は此方に転送され、何事もなかったかの様に日常がやってくる。 良かった良かった、では勿論終わらない。 そう、ある日唐突に魂までも消滅したのだ。 可哀想に。 まあ、そのお陰で俺は良い給料を貰い過ごせているのだから複雑な気持ちになるのはしょうがない。 そして今日も魔王退治が始まる
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