第1章

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駅近、日当たり良好、トイレ風呂別、冷暖房完備、オートロックで宅配ボックスあり 2DK、管理費込みで家賃が15000円 『あるじゃないですか、安いとこ。てか、破格ですよね』 小宮神子(コミヤ ミコ)、下から読んでもコミヤミコ 高校を卒業したら東京の専門学校に遊び…じゃなくて進学が決まった私は、新しい住居を探すために不動産屋にいた。 冬休みのうちに決めておかないと、てか今日中に決めないと… 今はまだそう何度も東京にこれるほど余裕がない。 親の反対を押し切って我が道を貫く私に親からの資金援助は望めない だから安い所を探してるんだけど、よれよれのスーツを着た頼りない不動産屋の顔色はすぐれない。 『いやぁ…ここは…』 『貸す気があるからこの資料を見せてるんでしょ?』 私みたいな小娘に生意気な態度を取られても腰が低いこの従業員の名前は、確か鈴木だか木村だか…まぁそんな感じの冴えない男。
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