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「お化け…?」
「えぇ。佐藤から説明ありませんでしたか?」
新しい担当は縁無しの眼鏡をかけた40代ぐらいの、いかにも仕事ができそうな女性だった。
てか、あいつの名前佐藤だったのか。
「安けりゃ何でもいいって言っちゃったので、理由なんてどうでもよくて聞いてないです」
「そうでしたか、事前に確認しておけば良かったですね…。もう今日から契約になってますが、大丈夫ですか?」
女性は心配そうな面持ちで私の顔を覗き込んだ。
「お化けが出る事が?」
「そう…ですね。あの部屋を借りたお客様、全員が同じ理由で退居されてますので…ただ、今から別の物件を探すとなりますと…」
「あーあー、大丈夫です!全然問題ないです」
私は女性の言葉を遮り笑顔でそう言った。
お化けなんかより、生きてる人間の方がよっぽど恐ろしいと思うよ。
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