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「ちょっと!せっかく汗を流そうと思ったのに何よコレ!人の迷惑考えなさい!」
大量に浮かぶ髪の毛を見た瞬間に私はキレた。
これじゃ湯船に浸かれない。
たぶん、この状況でマジギレするのは私ぐらいだろう。
全裸だし…普通なら恐怖感に包まれ言葉すら出ないはずだ。
なかなかお目にかかれない状況ではあるだろうけど、実家が寺である私にしてみたらお化けなんて日常的すぎて、驚きや恐怖よりも怒りが先に出てしまった。
「出てきなさい!隠れてんじゃないわよ!」
だいたい、どこにいるのかはわかってるんだ。
おじいちゃんの血を濃く受け継いだからか霊感は強め。
「そこにいるのはわかってんだよ!」
まるでヤンキーよろしく
私は鏡の前を睨みつけて視線を逸らさなかった。
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