第1章

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仕方なく湯船に浮いてる沢山の髪を片付けて、とりあえず汗を流してお湯に浸かった。 「っあー…極楽…」 少しぬるくなっちゃったけど、熱いお湯を足しながら湯船に浸かる私はオヤジそのもの 人間、汗をかかなきゃ老廃物を出し切れないからね。 知らんけど。 「…で、あんたはいつまでそこで私のヌードを眺めてるつもり?」 ま、見ても楽しい光景じゃないでしょうけど… どうせ出るトコ出てませんよ。 『えっ、いや、そんなつもりは…っ』 明らかに動揺するお化け、ちょっと面白い。 「冗談」 私が笑うと、お化けも戸惑った顔をしながら微笑んだ…ように見えた。 髪のせいで表情がよく見えないんだよね。 「私は小宮神子って言うの、あんたは?」 お湯をパシャパシャと手で叩きながらお化けに問い掛けると、お化けは一瞬目を丸くして、小さな声で『…ハルコ』と答えた。 「そ、ハルちゃんね…って、オイ!何で泣いてんだよ…」 やたらとお湯が波打ってると思ったんだ ハルコに視線を移すと、シクシク泣いてんの その格好でシクシク泣かれたら完全にお化け…あ、元々お化けか。
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