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仕方なく湯船に浮いてる沢山の髪を片付けて、とりあえず汗を流してお湯に浸かった。
「っあー…極楽…」
少しぬるくなっちゃったけど、熱いお湯を足しながら湯船に浸かる私はオヤジそのもの
人間、汗をかかなきゃ老廃物を出し切れないからね。
知らんけど。
「…で、あんたはいつまでそこで私のヌードを眺めてるつもり?」
ま、見ても楽しい光景じゃないでしょうけど…
どうせ出るトコ出てませんよ。
『えっ、いや、そんなつもりは…っ』
明らかに動揺するお化け、ちょっと面白い。
「冗談」
私が笑うと、お化けも戸惑った顔をしながら微笑んだ…ように見えた。
髪のせいで表情がよく見えないんだよね。
「私は小宮神子って言うの、あんたは?」
お湯をパシャパシャと手で叩きながらお化けに問い掛けると、お化けは一瞬目を丸くして、小さな声で『…ハルコ』と答えた。
「そ、ハルちゃんね…って、オイ!何で泣いてんだよ…」
やたらとお湯が波打ってると思ったんだ
ハルコに視線を移すと、シクシク泣いてんの
その格好でシクシク泣かれたら完全にお化け…あ、元々お化けか。
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