1 闇にうごめくもの

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 オレの名前は、中川奏太。  オレが親父からこの仕事を引き継いだのは、大学へ通うために、一人暮らしを始めた直後のことだ。  夜中に、イヤな気配を感じて飛び起きては、闇にまぎれて化け物退治……  そんな生活を、もう半年近く続けている。  もちろん、この仕事を30年近くもやってきた親父に比べれば、まだまだだとは思うが。最初の頃に比べれば、少しは慣れてきたような気がする。  アパートを1歩出た途端に、鼻の奥に飛び込んできた、ツーンと来るような刺激臭。  それが、奴らの臭いだ。  その臭いをたどっていけば、奴らの居場所がわかる。  オレは、臭いが流れてくる方に向かってひたすら走り続け──そしてついに、人けのない、行き止まりになった小路の奥で、奴らを見つけた。
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