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風向きを確認し、しっかり狙いを定めてから引き金を引く。
勢いよく飛び出した水が、手前にいた餓鬼の腹に命中した。
すると餓鬼は、オレにしか聞こえない、まるで金属がこすれ合うような、耳ざわりな悲鳴を上げた。
かと思うと、奴の体は、水が当たったところからドロドロに溶け出して……
あっという間に、ただの水たまり──水たまりにしては、ちょっとネバネバしすぎてはいたが──のようになって、そのままアスファルトの上に崩れ落ちてしまった。
それからすぐに、その気持ちの悪い水たまりは、跡形もなく消えうせてしまったが、もう1匹の餓鬼は、それを気にする様子もない。
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