第1章

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子供達を遠ざけます。素直に謝った子供には泡をキャンデーに 固めてくれました。色は濁っていましたが甘かったのです。  もうこの村には住めない。そうやって出て行く人も増えて ジメジは森の門番のように座っていました。石のように。  ある夜、星空がステスの吐く泡のように奇麗な光の粒に 見えたとき星空の王様がジメジへ、お優しく声をかけました。 「もう、お主の怒りは人間に充分伝わった。 逃げ出し村を捨てる者は、お前の好きな子供達も連れて行く。 ジメジよ。これ以上、まだ失いたいのか。私が何かを与えよう。」  星空の王様、私は怒りと憎しみで人間達を殺して食べました。 その噛む時の恨みが、全く美味しいと思わなかったのです。 昔、ステスと私に子供達からミミズを貰い、そてもうまいのです。 干乾びて硬くなって、小枝の棒みたいなミミズもありました。 ミミズには申し訳ないけれど、あれは美味しかったのです。 食べたくも無いものは、美味しくなかったのです。  そういうとジメジはボロボロと、大粒の涙を一杯に流して 涙がどんどん沢山の泡になっていきます。暗闇の中で吐いた 泡はジメジの濁りと違って、お月様やお星様を映し込んだ 天球儀のように一つ一つ全部が、キラキラと光っています。  静かにジメジは大きなハサミで、自分の甲羅を切り裂いて 足も全部、ちょん切ってしまい、痛いけれど沢山泣きながら 泡をもっともっと吐きました。全てが天球儀の光の粒でした。  自分の体がバラバラになった時。最後の残った片方のハサミを 自分で切り落とす前に、甲羅から泡で大事に包んだステスを 取り出して、星空の王様に申し上げました。  私はここで朽ち果てていれば、人間はジメジは死んだと安心して ここを通る事でしょう。それは私の宿命なのでしょう。 でもステスだけは星空の仲間に入れては頂けませんか。 星空の王様さえお許しであれば赤くなく、白い星に。  星空の王様は言いました。 「さぁ、痛いだろうけれど我慢して、最後のハサミを頑張って 自分でちょん切ってごらん。そのハサミが無くなればジメジよ。 お前もステスと同じ大きさに戻る。二匹とも星空へ迎えよう。」  あ、あ、ああ、ありがとうございます。ありがとうござい。  二つの白い星は月夜の空へ高く高く、昇っていきます。 ステスの星がジメジの星へ、守ってくれてありがとう。と。
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