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「あきくん…」
あきくんは訝しげにこちらを一瞥すると、そのままどこかへ行こうとした。
「あ、あきくん、待っ…」
「彰人ぉ、ちょっと待ってよぉ」
あきくんが出てきた部屋から可愛らしい女の人も出てきた。
女の人は僕に気づくと、
「あれ?彰人の知り合い?」
「あ…」
「知り合いじゃねぇよ」
「え?ちょっとぉ」
と言って、女の人はあきくんの方へ走って行ってしまった。
『知り合いじゃねぇよ』
その言葉が僕に深く突き刺さった。
覚えてくれてないの?忘れちゃったの?
そんな…。
部屋に戻る気分じゃなくなった僕は、飛鳥に
『気分悪くなってきたから帰るね、ごめん』
とだけ連絡し、少しそこら辺をフラフラすることにした。
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