第1章

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「あきくん…」 あきくんは訝しげにこちらを一瞥すると、そのままどこかへ行こうとした。 「あ、あきくん、待っ…」 「彰人ぉ、ちょっと待ってよぉ」 あきくんが出てきた部屋から可愛らしい女の人も出てきた。 女の人は僕に気づくと、 「あれ?彰人の知り合い?」 「あ…」 「知り合いじゃねぇよ」 「え?ちょっとぉ」 と言って、女の人はあきくんの方へ走って行ってしまった。 『知り合いじゃねぇよ』 その言葉が僕に深く突き刺さった。 覚えてくれてないの?忘れちゃったの? そんな…。 部屋に戻る気分じゃなくなった僕は、飛鳥に 『気分悪くなってきたから帰るね、ごめん』 とだけ連絡し、少しそこら辺をフラフラすることにした。
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