第1章

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家に帰ってからも、あきくんのことが頭から離れることはなかった。 考えないって決めたのに…。 カラオケに一緒に来てたの、彼女なのかな…。 絶対彼女だよね…。 もう彼女いてもおかしくない年齢だし、あきくんカッコいいもん。 彼女出来てないほうがおかしいよね。 でも、そんなこと知りたくなかった。 だって昔みたいに接することができなくなっちゃうから。 あの女の人より僕のほうがずっとあきくんのこと好きだったのに。 僕のほうが、あきくんを想う気持ちは大きいよ。 僕じゃだめかな。 そう考えてしまう。 自分でも女々しいってわかってるし、重いってわかってる。 でも…それでも、そんなこと思ってしまうのはきっと、あきくんのことを本気で好きだったからだと思う。 あきくんにこの気持ちを伝えたところで、困らせるだけだろう。 だったら僕は、自分の想いを封印することを選ぶ。 あきくんを、好きな人を困らせることはしたくないから。
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