第1章

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保健室から離れたあと、僕は屋上に来ていた。 『ん、んぁ、彰人ぉ』 女の甘い声が耳に残って離れない。 キモチワルイ。 「うぅ…」 やっぱりあきくんは僕のことなんて忘れちゃったのかな。 そう考えると涙が溢れてきた。 「うぅ、うっ、ひっく、」 ガチャ 扉の開く音がした。 「っ、!?」 「結羽?大丈夫か?」 入ってきたのは飛鳥だった。 「保健室にいなかったから、ここかと思って…って結羽!?その目どうした!?」 どうやら、泣きすぎて腫れているらしい。 「なんでもない、大丈夫だよ。それより飛鳥、授業は?」 「終わった。今昼休み」 「そっか」 チャイムの音にも気づかないくらい、考え込んでいたらしい。 「で、その目はどうしたんだ?」
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