第1章

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「それにしても、さっきから外、五月蝿くねぇか?」 言われてみれば、確かに五月蝿い。 何かあったのだろうかと下を覗いてみると、1人の男が女の子たちに囲まれてキャーキャー言われている姿が目に入った。 「いいよなぁ、モテる男は。てゆか、結羽、お前中学の時から何気にモテてんだぜ?」 「へー、初耳。嬉しいなー」 と棒読みで返すと、絶対思ってないだろと言われてしまった。 確かに思ってない。 僕はあきくんしか好きにならないから。 まぁ、好きだと言われて悪い気はしないけどね。 「つか、あいつ誰だ?見たことないよな…」 「先輩とかじゃない?」 「いや、女に囲まれてる男なんか見たことねぇだろ?あれだけ五月蝿いんだし、気づかないほうがおかしいだろ」 確かにその通りだ。 女の子に囲まれてキャーキャー言われている男が居れば、目にいれたくなくても自然と入ってきてしまう。 「そうだね。誰だろうね、あの人」 別に興味ないけど。 でも何かあの人、あきくんに似てる気がする。 気のせいかな。 「あいつ、名前なんて言うんだろうな。よし、聞きに行くか!」 唐突過ぎる。
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