8人が本棚に入れています
本棚に追加
僕たちが下に着いた頃には、モテ男はいなくなっていた。
「あ~、名前聞きたかったんだけどな…」
「女の子に聞けばわかるんじゃない?」
「そうか!その手があったか!」
単純すぎる。
「そこのお嬢さん。俺とお茶しませんか?」
聞く内容が違う。
そしてそれはナンパだ、石崎くんよ…。
「すみません、このバカが。ところでお聞きしたいことがあるのですが……」
と、さっきまでここに居たモテ男の名前を聞いた瞬間、僕は固まってしまった。
『え?さっきのイケメン?眞鍋 彰人って名前らしいよ!かっこよかったなぁ…』
眞鍋 彰人――――。
僕が待ち焦がれていた人物。
「お~い、結羽?」
帰ってきた…帰ってきたんだ!
やっと…!
それにしても、帰国するなら連絡くらいしてくれてもいいのに…。
などと一人言を言っていると、
「結羽!大丈夫か?さっきからブツブツ言ってて気持ち悪ぃぞ?」
と飛鳥に言われてしまった。
「キミに気持ち悪いとか言われたくないよ」
サラッと毒づけば、酷い!と言ってきた。
人を気持ち悪いと言っておきながら、こちらが気持ち悪いと言えば酷いとか…
キミのほうが酷いよ、飛鳥。
最初のコメントを投稿しよう!