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僕は目を覚ました。どんな感情からなのか、僕の頬を涙が伝った。触れれば今は滴を感じる。此処は現実。此処が現実?とても静かな涙だった。夜が来る。夜は必ず明けて、夜を必ず連れて来る。僕の意思とは関係がない。今日は彼女が頭から離れなかった。離れてはくれなかった。目を開けても、閉じても、あの目が僕の脳に浮かぶ。真っ黒な、真っ黒な目。目。目。目。焼き付いて離れない。僕の意思とは関係がない。怖イ、怖イ、コワイ、コワイ…。崩壊寸前…。眠ればまた、彼女に「あう」のだろうか。「あう」というのは、どの言葉で表せばいい?「会う」、「遭う」、「逢う」、「遇う」。雪の音が聞こえる夜は、それ以外の音がしない。星の瞬きもない。僕は温い水を口に含み、それと同時に、違和感を喉に感じた。大きく深呼吸をすると、時間を掛けて目を閉じ、時間を掛けて、眠りに着いた。ダイジョウブ、ダイジョウブ…コワクナイ…コワクナイ…。僕はまた彼女に「あいたい」。「あいたい」?それで、僕の呼吸が乱れようとも、僕は彼女に「あいたい」。「あいたい」?僕にあってくれるのだろうか…。ナゼ君ハ、瞳ノ奥ガ遠イノ?拒絶ヲシナイデ…。
―――一人ニシナイデ。一人ニシナイデ。
一人ハ、コワイ。
一人ハ、サミシイ。
ダカラ見テ…。
此所ニイルヨ、此所ニイルヨ…。
存在スル意味ヲ、奪ワナイデ…。
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