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ひとしきり踊って、フリーダンスに入る前にあたしらは講堂を出た。
着替え取りに行って、駐車場に向かう。
そこには、見たことない車が停まってた。
車に詳しくないあたしでも、名前くらいは知ってる。
確か、動物の名前……ジャガーやなかったかな?
こんな車あったっけ?
「さあ、お姫様」
悠緋は優雅に助手席を開けて促す。
いつものキューブが気になって聞いてみると、ジャガーは特別な日にしか使わないらしい。
普段は二台駐車場に入れてる。
うん、確かに何度かこの車見てたから覚えてた。
誰のんか気になってたけど、悠緋のやったんや。
運転席に座った悠緋は、まるでいつもと違うみたい。
タキシードやから?
「ひま」
「んっ」
ちゅってキスされて、エンジン音が響く。
着いた先は、綺麗なネオンで飾られたホテル。
ロビーで見たやつには、リッツなんとかって書いてたような……。
めちゃくちゃ豪華っぽいんですけど……。
「おいで……」
たじろぐあたしに、悠緋は、手を差しのべる。
エレベータで押された行き先階数は、最上階に近かい三十七階。
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