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入った先のリビングには向かい合うように置かれた、ゆったりと寛げそうなソファー。
ソファーの向こうには、街を見渡せる窓と椅子の隣には立派なオルガン。
そればかりやなくて、この部屋全体が上品で豪華なヨーロピアンの造りになっている。
食卓には既に食事が運ばれていて、向かい合って腰を下ろした。
「うわ、美味し……」
一口一口食べる度に出てまう「美味しい」の言葉。
ついつい、口に出ちゃうんだよなー……。
「ひまちゃんて、ほんまに美味しそうに食べるんやねー」
頬杖を着いて目を細める悠緋。
なんとなく小さい子どもに言うように聞こえたような……。
「これ、どないして味付けしてんねやろね?」
メインの魚を食べてる時に言うと、「ははっ」て悠緋は笑った。
「まるで主婦ね~」
「だって、気になるじゃんっ」
ムッて口を尖らせながら、口にするものはやっぱり美味しくて顔が緩んじゃう。
それにしても、さっきの車といい、いかにもスイートルームなこの部屋といい……。
この人ほんまにただの教師といくつかの飲食店のオーナーなんやろか?
あのマンションかて、いや、あれは億ションやろな……。
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