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静流は睨んだまま、あたしに顔を向けて傾げる。
そりゃ、初対面であんな態度取られたらなぁ……。
別に目上ってほど威厳ていうか、雰囲気っていうんかな?
「人間て、第一印象が大事やね」
「なにしみじみ失礼なこと言うとんねん!」
「事実やん」
「まあまあ、二人とも……。
今日はクリスマスなんやから……っ」
悠人さんに仲裁されても、静流は「腹立つわ、この子ーっ!」って呟いてた。
でも、あたしとしては……。
「あっはは!」
「何がおかしいねん?!」
「ううん、こんな賑やかなクリスマス初めてやなって」
「……」
そう、静流は歳の差を感じさせない親近感がある。
「ひま、おいで」
「うん!」
悠緋に呼ばれて駆け寄ると、総支配人やら各店舗のオーナー、素材提供してくれている人らを紹介された。
若い人も居れば、白髪混じりの年輩の人も居てる。
改めてお互いに自己紹介して、挨拶もする。
みんなあたしのことを知っていたみたいで、「君が向日葵ちゃんかー」って口を揃えて言われた。
「大きくなったなあ、俺らも歳とるはずやわ」
そう言った辻鷹さんは、悠緋とは唯一の幼馴染みらしい。
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