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その後も、静流と悠人さんも食事に加わった。
「お前、俺の作ったピーマンの肉詰めなんで食えへんねん?!」
「ピーマンが苦手やの!」
てか、これ静流が作ったんや?!
不器用に見えたけど、人は見かけによらずってこの事やねんな!
「これ、マジで旨いから食ってみろや。
これでもあかんかったら、しゃーなしに許したるわ」
「えーっ?」
あたしはピーマンとキュウリとトマトに、イワシサイズの魚が大の苦手。
イワシなんか、小二ん時給食で出てきて、担任と喧嘩したくらいなんやから!
キュウリとトマトはその時食べれてたけど。
「ほれ、早よう!」
「うぅ……っ」
意を決して、パクッと口に放り込む。
「っ!」
噛めば噛むほどお肉の旨味と一緒に、ピーマン独特の苦味がいい塩梅になって……。
「おいひぃ!」
「ほれ見ろや!」
どや顔の静流やけど、ほんまに美味しい!
「静流はこう見えても、料理はピカイチなんですよ」
誇らしげに言う悠人さんの気持ち、わかるかもしれない。
プロの料理とか、評価とかよくわかんないけど、素直に美味しいって思える。
「うまーいっ!」
思わずうっとりするくらい、ピーマンの肉詰めが美味しくてもうひとつ食べる。
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