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このやり取りで、悠緋はバッチリ目が覚めたらしい。
「なっ?!」
「んで、どないしたん?」
そんな悠緋をスルーして、俯せのまま話を進めた。
『ひま、瑞樹の話聞いた?』
杏子の言葉に、ハテナの記号が頭に浮かぶ。
なんで瑞樹?
「なんの?」
クリスマスの舞踏会、お父さんの重役が来るとかで学校の行事には来なかった。
『あの子、婚約したって』
「婚約……。婚約?」
『それで、舞踏会の前から連絡つかへんのよ』
すると、悠緋は起き上がってボクサーパンツを履くと、スマホで電話をかけた。
「それで?」
『あの子、学校辞めるんちゃうかって……。
なんか聞いてへん?』
「ううん、今初めて聞いた……」
テンションが低そうには見えへんかったから、大丈夫やとは思うんやけど。
「ひま、亨ちゃんと連絡取れたわよ」
「えっ?」
どうやら、瑞樹は冬休みの間はハワイに居るらしい。
それなら、連絡取られへんのも納得やな。
「だそうよ」
『なんや、心配して損したわ』
複数の溜め息が聞こえて、苦笑する。
そこで、みんなの話題は年末年始へと移り変わった。
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