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なんたって、この中で女子は唯一あたしだけ。
当然ピンクの眼差しが降り注ぐ中、ピンポイントで黒いオーラを容赦なく送りつけられるんやもん。
早く杏子達と合流したいよぉ!!
と嘆くのも束の間で、乗り換えた南海本線は目的の駅に到着した。
改札の前で集合やったから、すぐに見つかるはず……。
「ひまー!」
「あ、知香ちゃーん!」
長身の知香ちゃんを目印に、あたしは人混みの中を一気に駆け抜けた。
「おっす、來間」
「こんばんはー」
田崎くんや上條くんはもちろん、南斗くんと若菜も居た。
「きゃーっ、静流さまぁ~!」
手を組み合わせて目をハートにした美嶺さんは、一目散に双子のもとへ駆け寄る。
静流目当てやったのか、美嶺さん。
てか、そっち悠人さんやでー。
二人してたじろいでるもんやから、美嶺さんは気づいてない。
「あいつは相変わらず面食いやなー」
田崎くんも人のこと言えないってのは、あたしの中だけにしとこう。
集まったんは、杏子、知香ちゃん、田崎くん、上條くん、岩田さん、美嶺さん、南斗くんと若菜の八人。
総勢十三人で、改札口を抜けて住吉大社へ向かった。
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