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そこに委員長が割り込んできた。
「來間さん、まだパートナー決まってへんかったやんなー?」
「うん……」
まさか……。
「今余ってんの來間さんだけやねん」
委員長は苦笑いで小首を傾げながら言う。
やっぱりあたし、休んだ方がええんかな……。
軽くヘコむわ~。
「でな、ちょうど田崎も一人でさー」
「え?」
委員長が、あたしの背後に向かって手招きする。
振り返ると、キョトンとこっちを見る田崎くん。
自分の名前呼ばれて、帰ろうとしたとこで止まったらしい。
「あんたら二人、ペアな」
にっこり笑って、手に持ってたバインダーの用紙にシャーペンを走らせる。
「あ~、オーちゃんが嘆くの目に見えるわ~」
ギクッ。
おもろそうに呟く岩田さんで気づいたけど、これってまずいような……?
まあ、パートナーと踊るん最初だけやから……いっか。
「よっしくー!」
「こ、こちらこそ……っ」
田崎くんは照れたみたいに頭を掻いて、はしゃいでた。
*§*―――――*§*―――――*§*
「え、瑞樹も休むん?」
追試期間の間、あたしは瑞樹の家に遊びに来ていた。
ガラスの壁際で、ダージリンティーを飲む。
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