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「ひまっ、なんやった?」
後ろから美嶺さんに肩組まれて、なんとか踏ん張る。
開けてみると、大吉って書かれてた。
「やった!」
「えーなぁ……。
あたしなんて、中途半端な半吉やでぇ」
え、半吉なんてあったっけ?
小さい頃から来てるけど、今までたまたま当たってなかっただけかな?
あれ……、てことは悠緋も大吉か。
えーっと、なになに?
歌をサーッと目で通して、気になる出会い、恋愛、幸運の鍵の三つに注目する。
出会い……、既に出逢っている。
恋愛……、疑心暗鬼は禁物。
幸運の鍵……、前向き。
……とすると、出会いの相手は悠緋で、信じて疑わず、いい方向に考えるべしってとこ?
チラッと悠緋を横目で見ると、また目が合ってクスッて笑われた。
考えてること、バレたかも。
「向日葵さん、おみくじどうでした?」
「大吉やった。
悠人は?」
「小吉でした。
大吉やと、御守り代わりになるから、財布の中とか入れとくといいですよ」
それは知らんくて、悠人のアドバイス通りに折り畳んだおみくじを財布の裏ポケットに入れる。
「悠緋も入れた?」
「うん」
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