新年を迎えて

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良かった、さっきの機嫌直ってるみたい。 「せっかくやから、奥まで行ってみーひん?」 「あー、舞台の方?」 岩田さんの提案で、奥に行くことにした。 何人かの巫女達が、音に合わせて舞を踊る。 その次は第一本宮の側にある、御前御所。 “五”、“大”、“力”が書かれた石を見つけて御守り袋に入れると、いいことがあるみたい。 早速田崎くんと岩田さんらが、人垣に入って夢中になりだした。 「あいつら、ガキやなー」 そう冷めたコメントして、腕組みして呟くのは静流。 でも、これじゃいつまでかかるわからんなぁ。 「正紀ー!」 悠緋が、手前に居た上條くんに声掛けてら、露店に行くのを告げた。 ここであたしらは別行動。 再び人混みの中に入って、出口に向かう。 「う……っ」 人混みは隙間がなくて、前後左右身体の自由がきかなかった。 「大丈夫?」 「うん……」 悠緋に肩を掴まれてるけど、これ小さい子どもやと災難やな……。 「すんげー人やなぁ」 「みんな考えること同じやかやねー」 前の人の背中と悠緋に挟まれて、少し息が苦しい。 動いたかと思ったら、また押されて息が詰まるの繰返し。
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