130人が本棚に入れています
本棚に追加
良かった、さっきの機嫌直ってるみたい。
「せっかくやから、奥まで行ってみーひん?」
「あー、舞台の方?」
岩田さんの提案で、奥に行くことにした。
何人かの巫女達が、音に合わせて舞を踊る。
その次は第一本宮の側にある、御前御所。
“五”、“大”、“力”が書かれた石を見つけて御守り袋に入れると、いいことがあるみたい。
早速田崎くんと岩田さんらが、人垣に入って夢中になりだした。
「あいつら、ガキやなー」
そう冷めたコメントして、腕組みして呟くのは静流。
でも、これじゃいつまでかかるわからんなぁ。
「正紀ー!」
悠緋が、手前に居た上條くんに声掛けてら、露店に行くのを告げた。
ここであたしらは別行動。
再び人混みの中に入って、出口に向かう。
「う……っ」
人混みは隙間がなくて、前後左右身体の自由がきかなかった。
「大丈夫?」
「うん……」
悠緋に肩を掴まれてるけど、これ小さい子どもやと災難やな……。
「すんげー人やなぁ」
「みんな考えること同じやかやねー」
前の人の背中と悠緋に挟まれて、少し息が苦しい。
動いたかと思ったら、また押されて息が詰まるの繰返し。
最初のコメントを投稿しよう!