悠緋がお見合い?!~君への誓い~

3/12
前へ
/59ページ
次へ
「いや、男がもこもこってのも……」 「そうかな?」 想像してみると、別に女々しくもなく違和感もなかった。 「変ではないと思うよ?」 「そうかな?」 そんな会話しながら、一年の校舎に行って廊下に入ると騒がしい教室が見えてきた。 「あ、來間さん来た!!」 「ん?」 悠緋ファンの一人が、あたしを見るなり駆けつける。 鼻と鼻がくっつく勢いで来られて、仰け反るあたしを栗林くんが後ろから支えてくれた。 「待ってたで、來間さん!!」 「え……と……?」 とりあえず、新年の挨拶した方がいいような雰囲気ではないよな? 「なあ、ハルちゃんが見合いするってほんま?!」 「…………は?」 突然の問い掛けに、あたしの思考は一瞬だけ止まる。 見合い……、見合いって、あのお見合いやんな? 誰かの紹介受けて、結婚する人を……。 「なにそれ?」 唖然とするあたしに、悠緋ファンは「こっちが聞きたいねん!」と叫ぶように返す。 なんも……、聞いてへん。 昨日の悠緋、どうやっけ? 「ちょ、來間さんも知らへんて!」 「あんなシスコンやのに?」 「ほんまに、なんも聞いてへんの?」
/59ページ

最初のコメントを投稿しよう!

130人が本棚に入れています
本棚に追加