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「いや、男がもこもこってのも……」
「そうかな?」
想像してみると、別に女々しくもなく違和感もなかった。
「変ではないと思うよ?」
「そうかな?」
そんな会話しながら、一年の校舎に行って廊下に入ると騒がしい教室が見えてきた。
「あ、來間さん来た!!」
「ん?」
悠緋ファンの一人が、あたしを見るなり駆けつける。
鼻と鼻がくっつく勢いで来られて、仰け反るあたしを栗林くんが後ろから支えてくれた。
「待ってたで、來間さん!!」
「え……と……?」
とりあえず、新年の挨拶した方がいいような雰囲気ではないよな?
「なあ、ハルちゃんが見合いするってほんま?!」
「…………は?」
突然の問い掛けに、あたしの思考は一瞬だけ止まる。
見合い……、見合いって、あのお見合いやんな?
誰かの紹介受けて、結婚する人を……。
「なにそれ?」
唖然とするあたしに、悠緋ファンは「こっちが聞きたいねん!」と叫ぶように返す。
なんも……、聞いてへん。
昨日の悠緋、どうやっけ?
「ちょ、來間さんも知らへんて!」
「あんなシスコンやのに?」
「ほんまに、なんも聞いてへんの?」
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