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複数の人に聞かれて、あたしはただ頷くしかなかった。
当てにならんてわかった途端、踵を返して教室に帰ってく。
「來間?」
栗林くんに声かけられてるのに気づかんまま、あたしはただ呆然としていた。
お見合い……。
冷静になれ、向日葵。
いろいろ確かめたいこといっぱいやけど、今ここで学校休んだりしたら、みんなに変な誤解される。
踏ん張れ、あたし。
悠緋には、家に帰ってからでも確認出きるやんか。
きっと、あたしに言えなくて隠してたんやって。
「ひま、ひまっ?」
「っ!」
我に還ると、心配そうに見つめる杏子と瑞樹が目の前に居た。
「ひまちゃん、今日はこのまま保健室に……」
あたしは瑞樹の言葉に、首を左右に振った。
「そんなんしたら、変な誤解される。
授業には、ちゃんと出る」
「ひま……」
二人は、そっとあたしを抱き締めてくれた。
杏子が頭を抱き寄せて、ポンポンと優しく撫でる。
「あんた、強いな」
ううん、強くなんかないよ。
ほんまは、今も泣きそう。
でも、悠緋に迷惑はかけたくないから……。
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