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いくつかステップしていく内に、なんとか身体が慣れて来てターンするところ……。
「いっ……で!!」
田崎くんの声にならぬ悲鳴を聞いた。
「え、どないしたん?」
周りも練習止めて、あたしらの周りに集まる。
田崎くんは、足首を手で押さえて悶えてた。
「大丈夫?」
上條くんが様子見て、保健室まで隅田くんと二人で担いで行った。
「あらら……、アホやなぁ」
「大丈夫かなぁ?」
「上條も付いてるんやし、大丈夫やろ。
それより、あんたはどないするん?」
「あ……」
そっか、田崎くんのあの状態やと、ダンスなんてどころやないやんな。
一人で踊るなんて、まずないし。
あたしも、杏子と瑞樹みたいに休めば良かった……。
*§*―――――*§*―――――*§*
時間になって集まった生徒は、講堂から溢れそうまででもなく、みんなほどよい雰囲気をそれぞれ作り出してる。
舞台では、音楽科の若菜達が白いドレスとタキシードで練習していた。
校長先生の挨拶で開会式が執り行われて、プログラム通りまずはパートナーと組んでのダンスが始まる。
居心地悪いあたしは、壁際に寄って多少の視線感じながらもダンスを眺めていた。
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