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全てを終えれば、彼はいつも、たった一度だけこちらを見る。
そして直ぐに背を向け歩き出す。
彼からの言葉はない。けれど、知っている。
その瞳が、その背が、行くぞ、と。ついて来い、と。そう言っているのを。
当たり前のように向けられる背に、当たり前のようについて行くことを、欠片も疑って
いないのだ
ということ。
それが本当に、嬉しいのだ。
……だから私は、その背に遅れずついて行く。
貴方が示してくれる信頼に応えられるよう、揺れぬ眼差しを貴方に向け、ぶれぬ足取り
でもって、貴方に、ついていくのだ。
貴方と共に、戦えるよう。
貴方に手折られる可憐な華であるよりも、
貴方の剣と成り共に戦場を駆ける方が良い
それが私の貴方への、偽りなき、心。
了
2014/0902(0902)
いつもあほほどお世話になりまくっている氷さんに捧ぐ。
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