仮面の下に、伝う涙

6/25
前へ
/107ページ
次へ
「ちょっとナナちゃーんっ、あんまりからかってやらないで。 こいつ慣れてないんだから」 そんな2人を見て、先ほど須藤さんに突っ込みを入れた友達がチャチャを入れた。 「ええ?そうなんですか」 「うん、駿合コン初体験だから」 「えーっっっ」 友達の言葉を聞くなり絶叫するナナ。 両手を頬に当て、その姿はまるでムンクさながら。 須藤さんは下を俯いたまま縮こまっていて、なんだか可哀想に思えてくる。 「そっかー、じゃあ駿さん。今日は楽しみましょうね?」 出たっ 必殺ナナ落とし。 顎を引き上目使い、更には大きく開いた胸元を強調。 これで8割がた落ちるそうだ。 「あー……っと、ハイ」 ナナと目を合わせる事なく小声で呟く須藤さんは、蛇に睨まれたネズミ状態。 須藤さんには申し訳ないけど、笑いがこみ上げてくる。 それを必死に抑制していると、肩をツンツンとつつかれた。
/107ページ

最初のコメントを投稿しよう!

337人が本棚に入れています
本棚に追加