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「一華ちゃん?」
「あ、はい」
「須藤ばっかり見てないでさ、ほら飲んで」
いつの間に追加したのか空にしたグラスの変わりに、満タンに入ったグラスが置かれていた。
……酔わせようとしたって無理だよ。
あたしザルだから。
これからどうするつもりか表に出過ぎているヨシキに苦笑いを返し、それでもグラスに手をつけた。
「あ、番号聞いていい?」
持っていた焼き鳥を皿に戻し口をもごつかせながら、スマホを取り出すヨシキ。
食べてから喋ってよね。
……汚いな。
嫌悪感が芽生え出すけれど、今日からの相手を見つけるためにこれくらいは我慢。
「赤外線、ついてます?」
「うん。じゃあ送るよー」
「来ました。あたしも送りますね」
ガタンっ
スマホ同士を合わせデータを送っている最中、大きな音が部屋中に振動して首をそちらを回すと。
神妙な面持ちでこちらを見ている、須藤さんと視線が絡んだ。
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