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頭がぼーっとする。
あたしは完全に酔っ払ってしまったらしい。
「───こうして再会できて……運命としか思えないよ。 …私は本気。」
「れも…れもぉ…!」
ぼやけた頭でもハッキリと思い出せる…あの日、幼いあたしが犯した過ちの瞬間を───
『えー? おんなのこどうしってへんだよー!』
『きもー。』
小さな頃、友人達との他愛ない恋の話…いつも一緒だったケイコが好きだと、結婚しようって約束したんだと、ただ純粋に語ったあの日を。
「あらしはっ……“フツーの恋”をするんらもん…っ」
舌も回らず、けれど必死に訴えかける。
けれど、ケイコはその鋭い眼差しを弛めてはくれない。
「で、私を避けて…どうだった? 中学の伊藤、高校の鹿路、大学の萩原は…?」
伊藤は下心ばかりでいつも体に触ろうとして…鹿路はちょっとクラスの男子と話しただけで喧嘩して…萩原は兎に角浮気ばっかりだった。
「そんなモンだよ、男なんて。 …ほら、レオナちゃんが言う“フツー”に何の意味があるの?」
「わか、んない…! わかんないよぉ…!」
くるしくて、くるしくて…あたしは顔を背ける事しかできなかった。
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