嘘はいらない

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なにか言いたそうにしている親父は動こうとせず、 俺はそんな親父を無視してその場から去ろうとした 「カズくん、私は、いいから」 ぎゅっ、と 俺の腕にしがみついていた手に力をいれた美紗緒は、俺を見上げた 「いいわけないだろ」 この期に及んでまで何を言うんだ、って 「お前が一番優先にきまってるだろ」 美紗緒も まだ、――性別も、その存在にも認識出来てない 子供も。
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