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「ポニーちゃん、今の貴女はね、分岐点に立っている。世間一般で言う、所謂“普通”の道と、“異常”の道の前」
「そんな事、言われなくても……」
「だろうね、だから苦しんでる。怖がってる。異常な思いを抱く自分に、異常を良しとする彼女に」
「知った風に言わないで! お姉さんに何が分かるっていうの!?」
「……分かるさ、同じ道の前に立ったからね」
「……えっ?」
怒ったポニーの顔が、疑問に歪む。当然だろう……現実は残酷で、誰にも理解されず、打ち明けられず、ただただ“普通”の世界が壊れるのを一人恐れる……彼女も、きっとそんな女の子なのだ。だから、なろう……私が指標に、理解者に。私には現れなかった助け船、それが三途の川を渡る船だとしても……出して上げよう。選ぶのは、彼女だ。
「普通が悪いとは言わないよ、けどね、君の思いが本物なら……一生後悔するよ、選ばなかったこの日の事を。彼女の涙が、一生君に付きまとう事になる」
「………ッ」
「お姉さんの助言はここまで……選ぶのは君だよ。本当に大事なのは、果たしてどちらだったのかな……?」
「っ、水面っ!」
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