【一、プロローグ。】

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 さて、今、何故こんな状況になったか冷静になって思い返してみる。  ――と、その前に性的興奮によりこの鼻から流れている血をどうにかしないと。  先程用意していたティッシュだけでは足りず、新たにとった数枚を鼻にあて、流れ出た血を拭う。そして、更にティッシュ数枚を取って棒状に丸めて鼻に詰めた。  俺は、風呂上がりに音楽を聴きながら過ごすのが毎日の楽しみだったりする。今日は学校帰りに買って来たファッション雑誌を、胸の下にクッションを敷いてリラックスして読んでいた。 【モテる男子特集! モテたいやつはコレを読め!】  表紙にデカデカと目立つ色でこんな見出しがあり、つい買ってしまったのは内緒だ。 【モテるためにはファッションセンスや女の子に対する気遣い・優しさが大切だ】  どこでも言ってる決まり文句じゃねぇか。その気遣いの仕方を教えてくれって言いたいもんだ。 【気遣いその一。門限などをさりげなく聞け!】 「微妙じゃね? さりげなくじゃなくて普通に聞けばよくね? その一から疑問の残るアドバイスだな」 【気遣いその二。身につけている物をさりげなく褒めろ!】 「また、さりげなくか! これも普通に褒めればよくね? なんか、この記事を書いてる人がモテているのか不安になってきたわ」 【気遣いその三。今日が女の子の日じゃないかさりげなく聞け!】 「無理だよ! どうしたって不自然になるだろ! 『いや~、今日は天気いいよね。そう言えばさ、今日ってあの日?』って絶対無理だろ!」  この記事を書いてる人間がモテているのか? と言う疑問が、モテていないと確信へと変わった瞬間だった。  俺は本を放り投げ、胸の下に敷いていたクッションを枕にしてその場に仰向けで寝転がった。 「あ~モテたい。可愛い子彼女にしたいな~。そんで、キスしちゃったり、あんな事しちゃったり……むふふふふ」
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