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付き合おうと言ってから一週間。
お互いメールも電話も教えあった。でも私は未だに信じれなかった。
どうして私から言ってしまったんだろう。
これでもう逃げられない、逃げられなくした本人が焦ってる。
辰くんは私をお嫁さんにしたい気満々だし、私もうまくいけば…と思っているけど、やっぱり不安はなくならない。
辰くんは私のために大学受験をするつもりだ。でも、もし合格して、同じサークルとかに可愛い子がいたら…ずっとそんなことばかり考えてる。
辰くんは真っ直ぐ私を見て、ハッキリ言ってくれたのに、信じられない私も存在する。
自分から言っといてなんたけど、私は辰くんが何を考えてるのかわからないし、その瞳は鋭くて私に突き刺さる。
でももう、彼の悲しい顔を見たくないから…だから言ってしまった。
これからどうなるんだろう…ずっと不安にかられている。
彼に全て捧げていいのだろうか…私から見たらまだ少年なのに。
でも私のために何かをしてくれるというのは嬉しい。そんな自分もいる。
辰くんは今何を考えてるんだろう…あまり舞い上がってほしくないな、私は辰くんが思うような女じゃない。嫉妬にかられ暴れた時期もあった、泣き明かした夜もあった。
それくらい忘れられないのだ、水城先生を…。
こんな中途半端な気持ちでいたら辰くん悲しむだろうな。やっぱり付き合うべきじゃなかったのかな…。
考えれば考えるほど焦りと後悔が生まれる。
すると携帯が光った。メールだ、この色は辰くんだ。
何気に辰くんを別フォルダに入れているのですぐわかる。
(今夜会えませんか?)
直球だ、どうしよう、忙しいっていって断ろうかな…でもどんな顔してこのメールを打ったんだろうと思うと切なくなり。…結局会うことになった。
そうだ、会ったときに話してみよう、この行き場のない気持ちを、まだ未練がある気持ちを。
それでも一緒にいたいと思ったことを。
頭の中でシュミレーションして、夜を待った。
その時間は何故かゆっくり流れて、凜がそわそわするのは仕方なかった。
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