Ⅷ 一夜

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「欲しいの?欲しくないの?」 不謹慎に思えるけれど この状況じゃその二者択一こそが真実だ。 「……喉から手が出るほど欲しいよ」 それ以外はどんな能書きも 理性も理論もみんな間違っている。 「なら、問題ない」 己の欲望にのみ正直な蜜りんご。 俗にいうまともな愛のテーゼなんて 彼には必要ないし通じない。
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