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「俺ん家を飛び出してから歩いて帰宅した事。
その途中で知らない男に声を掛けられ、そのまま無理矢理車に乗せられた事も。
葵は全ての事実を包み隠さず俺に話してくれた。
まるで、自分を1人で帰した俺の事を恨んでいるかのように・・・。」
実際に葵さんは信明の事を恨んでなんかいなかったはず。
だけど1人きりで悩み、どんどん大きくなっていく自分のお腹を見て感じるものがあったのだろう。
「お腹の子どもは俺との子どもじゃない。
だけど、どんな酷い事をされてできた子どもであっても、葵のお腹にいた子どもには間違いなく彼女の血が通っている。
子どもが好きで保育士を目指していたからこそ、葵は自分の血が通うお腹の子を堕ろす気にはなれなかったんだ。」
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