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「それなら、信明が当時の自分の思いを好きだった人に伝えてさ。
葵さんが託した未来を蟠りなく幸せに生きる事が一番の償いになるんじゃないかな?」
私なりのアドバイス。
今の彼にとって、“当時好きだった人”への気持ちがどうなっているのかという事はわからない。
それでも葵さんの本当の気持ちを汲むのであれば、それが最善の策だと私は思った。
「ああ・・・、わかってる。
だけど・・・。」
信明は悲しそうに溜め息を吐き、私から視線を逸らしながら弱々しく頭を振った。
「俺が好きになった人には彼氏がいたんだ。
だから俺は、彼女にアプローチする事ができないまま高校を卒業して・・・。
それからずっと、彼女とは顔を合わす事がなかったんだよ。」
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