恋する気持ち

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大きくタバコの煙を吐き出した信明。 ふわりと舞ったタバコの煙は、彼の深い溜め息を目に見える形にする。 薄っすらと苦みの帯びた笑みを浮かべ、不甲斐ない自分を責める信明。 「俺は本当に不誠実だし不甲斐ないよ。 准一君の言う通りだ。」 「そっ・・・そんなっ!!」 “そんな事ない”って言いたい。 だけど准一の思いを汲めば、亡くなった恋人・・・葵さんの元に死後一度も顔を出さない信明は誠実とは言えないのかもしれない。 だけど信明だって、自分の責任で葵さんを死なせてしまった事に対する深い傷を負っていて・・・。 「フォローしようとしなくていいよ。 俺がちゃんと葵に会いに行ってやれば、きっと准一君も俺の事をあんなに恨まなかった。」 信明はわかっている。 どうして准一の怒りがあんなにも膨れ上がってしまったのかという事を。
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