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「立食パーティって言やぁ、チョコフォンデュがあったよな? なあ? 音羽」
「あったねぇー。タワーの天辺から、ドバァって滝みたいに出てくるの!」
「俺も、あれ好き……」
音華くんの視線が僕に向かい、音羽くんは何かを察したように言葉を言っていく。酒井先輩は単純に自分の意見を言っただけだろう。
「チョコ……フォンデュ……」
呟いた僕の声に、双子は更に続ける。
「チョコケーキもあるよねー?」
「フルーツがいっぱい乗った奴な」
「チョコタルトとか、チョコレートアイスとか!」
「パーティーには、パーティーのときしか出さねぇのがあるしな」
「限定品って奴だね!」
「学園生活で新勧くらいだもんな。パーティーなんて」
「後は賞品くらいかな。鬼ごっこするなら、獲得率は低そうだねー」
「俺たちはパーティー好きだけどな。この中で一番、人混みが嫌いな奴がいるし、今年も鬼ごっこか?」
双子は合わして僕に視線を向ける。いや、二人だけでなく、にやにやした笑みで全員が見てくる。
酒井先輩だけは穏やかで、僕は癒されるっ。
「立食パーティーにしたいなら、してもいいですけど……」
少し顔を逸らして言った僕。自分の顔に熱が溜まっているのに気付き、更に羞恥心が積もる。
「すぅーちゃん! 可愛いっ!」
「わあっ」
突然、抱き向いてくる鯨井くんに背中に手を回して支える。
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