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酒井先輩の頼みでも……そこまで、名前呼びに拘わらなくても。
「どうして、皆さん。そこまで名前呼びに拘わるんですか?」
「だって~、仲良くなりたいから~」
「僕は慣れてないので嫌だ。だから酒井先輩も申し訳ありませんが、諦めてください」
途端にしゅんと肩を下げる酒井先輩に僕も困ったように眉を下げた。
少し気まずいような空気が生徒会室に流れたが、意外にも逸早く壊したのは双子の音華くんと音羽くんだった。
「それよりさー新勧は結局、立食パティーになったのー?」
「スズがやりたいみたいだしな」
誰もそんなこといってないよ! 僕はすぐ否定の言葉を口に出した。
「僕は別にっ──」
「嫌なのか?」
「嫌じゃないです、けど……」
「じゃあ、決まりだ」
音華くんに図星を突かれ、僕は渋々肯定した。
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