生活が一変しました

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学園長室は、校舎の最上階にある。 階段で行くのは、僕にとって帰宅部がシャトルランをする程の運動量を使うことになる為、エレベーターで楽をする。 エレベーターで最上階に着いたものの、学園長室は最奥に位置している為、かなり歩かなければならない。 態々、最上階に学園長室を置いた理由は、「偉く見えるでしょ?」と学園長本人に初対面のときに言われたのは余談である。 「野村鈴音です」 しばらく歩いて着いた学園長室は、校舎にあるどの部屋よりも分厚い扉だ。 僕は学園長室の扉をノックした。 「どうぞ」 「失礼します」 学園長室に入ると、書斎に座る美形な男性が僕を抱き締めた。 彼が学園長である吉川(よしかわ)正義(まさよし)さん。実年齢四十過ぎであるのに、二十歳と言われても不自然ない容姿の持ち主だ。 「久しぶり~鈴音くん!」 「お久しぶりです。あ、これは今年の新入生歓迎会の書類です」 「冷静だなー。ん、今年は鬼ごっこ止めたんだ?」 僕から離れて、書類を手に取った吉川さんが言った。
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