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そうして、いよいよもって地面が間近に迫る。
感じるのは、もはや、遥かなる静空じゃなくて巻き上がる旋風。
一瞬で終わる。生存か、即死か。
「オレに力を貸してくれ、ああっ、大気の女神さまっ! “ヘイムルテトヴェーレティアトモスハグルツァイドドレートゥムリーノマーリー”!!」
力一杯、思いっきり、全身全霊、全力全開をもって、ボギーちゃんから教えてもらった、やたらと長ったらしい彼女の名前を叫ぶ。
すると、おそらくだ、今まで楽しくオレの無様な姿を静観していたのだろう、その空気の読めない女神様は、オレの必死の絶叫にウキウキと呼応する。
「……うーん、まあ、なんかイントネーションとかメチャクチャだしぃ、ちょっと噛んじゃったりうる覚えだったような気がするけど、うん、イイよ、キミにならダウンロードされてあげちゃう。うふふ、これからも末長くよろしくね、陽・さ・ま♪」
なんとなく、無意識にゾクッとしたのは、きっと気のせいだ。うん、大気のせいに違いない。
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