『SANDAI 35 de 大気の女神』 葵 アオイ 様

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 そうして、いよいよもって地面が間近に迫る。  感じるのは、もはや、遥かなる静空じゃなくて巻き上がる旋風。  一瞬で終わる。生存か、即死か。 「オレに力を貸してくれ、ああっ、大気の女神さまっ! “ヘイムルテトヴェーレティアトモスハグルツァイドドレートゥムリーノマーリー”!!」  力一杯、思いっきり、全身全霊、全力全開をもって、ボギーちゃんから教えてもらった、やたらと長ったらしい彼女の名前を叫ぶ。  すると、おそらくだ、今まで楽しくオレの無様な姿を静観していたのだろう、その空気の読めない女神様は、オレの必死の絶叫にウキウキと呼応する。 「……うーん、まあ、なんかイントネーションとかメチャクチャだしぃ、ちょっと噛んじゃったりうる覚えだったような気がするけど、うん、イイよ、キミにならダウンロードされてあげちゃう。うふふ、これからも末長くよろしくね、陽・さ・ま♪」  なんとなく、無意識にゾクッとしたのは、きっと気のせいだ。うん、大気のせいに違いない。
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