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「とりあえず行ってみよう?
もしダメそうなら、お家もすぐ近くにあるんだからさ?」
「ああ・・・、そうだな。」
私たちは車から下り、季節外れのビーチを歩いて行く。
本当は危険を伴うため立ち入り禁止となっている場所。
だけど私たちは、“彼女”に会うため海岸を目指し歩いている。
「寒っ・・・!!」
冷たい風に吹かれ、手が悴み赤くなっていた。
左の腕にはコスモスの花束。
この花は、生前“彼女”が好きだった花らしい。
「優香、手・・・!」
空いている右手を掴み、自分の左手と共にポケットに突っ込む信明。
繋がったまま並んで歩き、私たちが目指したのは・・・。
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