story 3

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その顔を見ていると 初めて出逢ったときのことを 思い出した 「 初めて西島くんを見たとき…」 「 ん?」 「 あ…ううん。そういえば、どうしてあのとき話しかけてくれたの?」 「 あ~千晃ちゃんがさ」 そう言いながら カレーを頬張る西島くん 「 あたしが?」 「 いや…忘れたっ」 「 えぇ~そこ重要だよ!」 「 ごめんごめん。」 「 いいんだけどねっ」 そう言ってあたしも カレーをひとくち食べる …そして 無意識のうちに 西島くんを見つめていた。 そんなあたしに 西島くんも気づいたのか あたしの顔を とても…とっても優しい顔で 不思議そうに首を傾げながら 見つめる。 視線が何秒か絡まり ぼんやりとしていた 西島くんの目がはっきり見えて なんだか恥ずかしくなって すぐに視線をそらし あたしはカレーを口いっぱいに入れた。 「 ゴホゴホッ…」 「 えっ?大丈夫?」 そう言ってあたしのそばにきて 背中をさすってくれる西島くん。 ほんとあたしってかっこわるいよね… 最初に西島くんに じゃがいも大きいって言われたのに 『 た、食べれればいいのっ!』 なんて意地を張ってそれを 口いっぱいに入れ過ぎて むせちゃうなんて。 もう嫌になっちゃうよ…
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