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千晃side
ふぅ…
あれから1ヶ月。
早いようで遅い毎日が1ヶ月過ぎた頃
あたし達は高校1年生という名を背負っていた。
実「まだ慣れないの?」
隣でスマホの画面を見ながらそう呟く
あたしの親友、実彩子ちゃん。
千「なんとなくさ~ほらぁ…」
実「はぁ…。千晃ぃ~?」
千「何っ」
ため息まじりであたしの名前を呼ぶ
実彩子に少しだけびっくりしつつも
耳を傾ける。
そんな実彩子は手を止めると共に
あたしの方をパッと見る
実「そろそろ慣れたらっ?」
そう言って微笑む
なんだぁ~そんなことかっ。と、
内心ほっとした
千「うーん…この、距離感っていうの?そういうのってちょっと難しくないっ?」
実「ん~~…」
またスマホに目を落とす
実「千晃はさ高校入って気になる人とかいないの?」
…………っ?!
いきなり恋バナですかっ!!!
あたしは ばかっ。 と言って
実彩子の肩を軽く叩いて
千「そーゆー実彩子はどうなのっ?」
少し企んだ怪しい微笑みを浮かべる
あたしを横目でチラッと見て、
実「…っ、何その顔」
そう言って顔をくしゃっとして笑う
あたし達はただの親友なんかじゃない。
実彩子はどう思ってるのかわからない。
だけどあたしは
ほんとに大切な存在だって
思ってるから、
だから、、
こんななんてことない会話でさえ
愛おしく、楽しく感じるんだ。
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