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千晃 side
あたしはとにかく
走って西島くんを探した
けどどこにもいなくて…
屋上へと続く
階段の前で立ち止まった。
もしかしたら、
なんて思いながら扉を開けると
「 西島くん…」
フェンスにもたれかかりながら
上を見上げ
目をつぶって
立っている西島くん
頬には涙が
たくさん流れていた。
「 西島くんっ!!」
「 千晃…ちゃん…」
「 何かあったの?」
あたしはそう呟きながら
西島くんに近づいた
「 辛い?寂しい?
…ごめんね。きっとあたしのせいだよね?」
「 ……っ」
「 あの日、暴言を吐き捨ててそのまま何も言わないで帰っちゃってごめんなさいっ。
あたし…子供だから…ばかだから何も考えないで言っちゃうし、きっと傷つけたよね?」
あたしがそう言うと
西島くんは
黙ったまま
唇や鼻を震えさせながら
あたしを見つめた
頬にはたくさんの涙。
あたしは
そっと手をのばして
両手で西島くんの顔を
包んで涙を拭いた
「 ずっとずっとずっと友達でいたいし……前みたいに仲良く話したりしたいよっ…」
「 ……っ~…」
「 だめかな?
………きゃっ!」
あたしは手を強引にひかれ
いつの間にか
西島くんの香りに包まれていた
すると
あたしの首元に
顔を埋める西島くん。
そして、
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